
《アクリライト®》はメタクリル酸メチルエステルからなる合成樹脂板で、三菱レイヨンの国内向けの登録商標です。(輸出向けはShinkoliteです。)一般にメタクリル酸エステルを主原料として製造した合成樹脂の総称をメタクリル樹脂といいます。通称アクリル樹脂と呼ばれ、現在プラスチックとして用いられているものはメタクリル酸メチルエステルを主原料としたものです。
メタクリル酸エステルは、1850年頃Franklandによりα-オキシイソ酢酸エチルと三塩化燐よりメタクリル酸エチルエステルが作られたことにより始まりました。1937年英国のCrawfordにより、アセトンシアンヒドリンから中間体を取り出すことなくメタクリル酸メチルエステル及びエチルエステルを作る方法(ACH法)が確立され、現在のアクリル樹脂の工業化に一大飛躍がもたらされました。日本においては1938年に、このACH法によるメタクリル酸メチルエステルの工業生産に成功し、以後長年にわたりこの方法を基本にした合成法で生産が行われてきましたが、1982年に当社によって直接酸化法による製造方法が開発され、双方の製法で今日に至っています。
メタクリル樹脂については、当社では1943年より鋳込み重合板「《アクリライト® S》」の製造を始めました。当時はもっぱら航空機の風防ガラスとして用いられました。1948年には加圧成形用「アクリコンAC」、歯科用「アクリコンDAC」を、1952年には射出成形材料「アクリペット」の製造を開始しました。1971年には画期的とも言える連続製板方式を開発し「《アクリライト® L》」として販売を開始しました。これらの技術は、すべて当社独自の方法によるもので、特に「《アクリライト® L》」の技術は高い評価を得、1972年には合成樹脂新聞社の「大河内生産記念特賞」を受賞しました。また米国の樹脂メーカーにも技術輸出の実績があり、内外にその優れた品質と技術が認められています。その後も1979年には押出法による「《アクリライト® E》」を、1991年には《アクリライト® L》と同じ連続製板方式による押出グレード「《アクリライト® EX》」の製造販売も開始しました。
このように《アクリライト®》は生産開始以来今日まで、用途の拡大とともに生産規模も大きくなり、新しい製造方法や技術が開発され品質的に確立されたものとなってまいりました。今後とも《アクリライト®》は加工技術や応用技術の発展、新規事業用途の開発などにより、その優れた性質とあいまって、ますます多方面の用途にご使用いただけるものと確信しております。